夢の風景

初夢は「窓を買う」というものだった。吉兆。
それとは別に夢を見た。暗い森を抜けると冬枯れの荒野が広がっていて、無数の椅子が規則正しく並べられている。そこから視点が鳥瞰に変わって、荒野のむこうに海、海辺に簡素な町がある。背の高い石の建築の壁面には、エジプト風の猫の彫刻やヒエログリフ。空は曇りで、海の色がラブラドライトのような暗青色で鈍く輝いている。
他にも記憶に残る夢の風景がいくつかある。ひとつは、遠くに壁のようにそびえる群青の山。ひとつは、ガスタンクに似た巨大な球体が絶壁の上に据えられている山道(メテオラみたいな)。そして真っ青な空に墨を垂らしたような粘っこい黒雲と廃墟。
どれも現実にはない。これを伝えるにはどうすればいいか。