2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

9月第4週

考える短歌―作る手ほどき、読む技術 (新潮新書)posted with amazlet at 11.09.24俵 万智 新潮社 売り上げランキング: 30265Amazon.co.jp で詳細を見るとても実用的な短歌入門書。助詞や動詞の扱いや比喩など、少し工夫するだけで印象がはっきりと変わるポイ…

詩を書き始めたきっかけを教えてください。

直接のきっかけはYahooジオシティーズの創作系の企画に参加したことですね。たしか小説や詩を募集していて、ちょうどその頃ジオシティーズに小説サイトを持っていた縁から、詩なら気楽に書けるだろうと参加しました。内容は失われていますが「藍銅鉱の夢」と…

「次に何を読もうか」という時の、misuiさんの本選びのポイントは何ですか。

まず、僕は読書メーターを使って読書記録をつけています。読了や感想、積読の状況などは読メを使えば容易に把握できますし、現在自分がどんな流れでどんな分野の本を読んでいるのかも、リストを眺めるだけでわかります。可視化して確認する感じですね。次に…

これもインタビューズの。

9月第3週

諳んじたい俳句88―世界最短詩型の美しい日本語表現posted with amazlet at 11.09.18片山 由美子 石飛 博光 日本放送出版協会 売り上げランキング: 437478Amazon.co.jp で詳細を見るごく簡単な解説と書が並べられている。精神性があるのもいいが絵画・視覚的…

水菜

http://www.ctb.ne.jp/~mizuna-ps/ というわけで詩のサイトを作りました。古いのも補完するよ。

やって後悔したひどいネトゲに対する恨み辛みを聞かせてください。

経済学の分野で「サンクコスト」という概念があります。あるものにかけたコストはもう取り戻すことができず、取り戻そうとしても無駄になるという考え方のことです。人は往々にして自分の選択を認めようとせず、そのため盲目的に失敗を重ねてしまいます。ど…

月と不死、月世界にて

月と不死 目を瞑り月の女の名を呼ばう 指に安らう蛾のやわらかさ 梟の灯りを頼りに船は進む 翼は煙 心は砂糖 銀の盆 兎が行き来するたびに紫色の林檎が落ちる 不死の父を時計の中に閉じこめて蠢く鍵を水に沈める 蒼白の月の光で生きたまま燃やした手紙は月に…

夜間閲覧室

夜間閲覧室 梨を剥く間にバスは図書館へ 風の果てには悪魔が待つ 司書の目を盗んで書架を渡り歩く 本は野菜のように選ぶ ノートにはただ星屑が並ぶだけ 孤独を星の言語で記す 錆びついた巨大な鋏が待ち受ける 黒いページに栞を挟む 未明までチェスで戦う司書…

9月第2週

知の技法―東京大学教養学部「基礎演習」テキストposted with amazlet at 11.09.11東京大学出版会 売り上げランキング: 105148Amazon.co.jp で詳細を見る反証可能性とそれを通しての対話の必要性を説くところから始め、知の現場の様々なアプローチを概観し、…

悪所

悪所 いたるところで 青い火が燃えている 人を探しにきたのに こんな悪所に迷いこんで やっぱり座敷を 出なければよかった 険しい山道を 足さぐりで進み 骨の橋を渡って 廃寺を通り過ぎる 火はいよいよ燃えて 前にも後ろにも 気づけば上下にもある あの中で…

9月第1週

テロリズムとは何か (文春新書)posted with amazlet at 11.09.04佐渡 竜己 文藝春秋 売り上げランキング: 328942Amazon.co.jp で詳細を見るテロリズムとは弱者による心の戦争である。それは人々の恐怖心を直接・間接的に煽り、要求を通そうとする。誰でも、…

竹取

竹取 竹藪は真夜中 地面を這うようにして 皿の破片や 古銭を拾い集めていると 突如として 立派な竹に行き当たる 触ると不思議に温かく 内からはほのかに光が漏れている これは伐らねばなるまい 伐ってこの中に 姫君がまだ生きているか 死んでいるならどんな…

お玉

お玉 庭で武将が跳ねまわっている 敵が来るから加勢しろという 大慌てで縁から出て どうすればいいのかと聞くと とりあえず今日のところはこれで 火を消すのだ、とお玉を渡される 見れば裏の家が燃えている 家が燃えているのに お玉はないじゃないか、と文句…