「次に何を読もうか」という時の、misuiさんの本選びのポイントは何ですか。

まず、僕は読書メーターを使って読書記録をつけています。読了や感想、積読の状況などは読メを使えば容易に把握できますし、現在自分がどんな流れでどんな分野の本を読んでいるのかも、リストを眺めるだけでわかります。可視化して確認する感じですね。次に読む本はその時々の読書状況と興味を照らし合わせて決めます。
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具体的には、普段の生活で少しでもアンテナに触れた本を「読みたい本」に登録していきます。人のおすすめや目録などを参考に、とにかくなんでもありで片っ端から登録します。本の中で参考文献に挙げられている本も登録します。実際に読むかは別としてメモのようなもので、これが潜在的な興味のプールになります。
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また、手元にある本、図書館蔵書で気になる本は「積読本」に登録していきます。読もうと思えばすぐに読める本です。図書館の所蔵状況はOPACで確認します。これが二つ目のプール。近所の図書館に置いてない場合は「読みたい本」のほうに登録します。
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基本的には二つのプールから選んで図書館で借りることにしています。特に手元に置いておきたい本は買うこともありますが、全部買うと身がもちません。月に一度か二度、積読本から10冊以内、読みたい本から10冊以内を選び、前者を近所の図書館で、後者を遠くの図書館から取り寄せて借ります。前に借りた本は返します。

以上のローテーションをくりかえします。ただ、これは実際的な方法であって、イメージ的にはもう少し違ってきます。説明が難しいのですが……。

本を読んでいくと、その背後に本と本のネットワークがあることに気がつきます。一冊の本は別の本と関連しており、引用があり、参照があり、著者同士の因縁がありと、ありとあらゆる関係が見いだせます。たとえば一冊の本に気になる記述があった場合、疑問を解くために別の本を参照し、見かけたタイトルがあればその本を参照し……という風にどんどんネットをたどっていくことができるのです。読書メーターはそうやってたどってきたネットの記録を、また、大まかな先行きの地図の役目を果たしているといえます。

問題もあります。PCのトラブルで読書メーターが見られなくなったときは地図を失ったようになりました。その時は図書館や店頭で棚を見て本を選びつつ、ノートに読書記録をつけていましたが、やはり精度が下がるのは否めません。道具に任せきりだといざというときに困ります。