2011-09-08 悪所 詩 悪所 いたるところで 青い火が燃えている 人を探しにきたのに こんな悪所に迷いこんで やっぱり座敷を 出なければよかった 険しい山道を 足さぐりで進み 骨の橋を渡って 廃寺を通り過ぎる 火はいよいよ燃えて 前にも後ろにも 気づけば上下にもある あの中で燃えているのは 鬼の目玉 いくつもの冷たい葡萄 ふらふら歩きの道行きを 焼かれながら見つめる 進む道はもう ないというのに