8月第2週
コレージュ・ド・フランスの元同僚によるフーコー思想の手引き。ちと敷居は高いがフーコーのエッセンスを理解するにはもってこいの一冊だと思う。よくある誤解を解くことにも気を配っているので、その意味でも助けになる。あらゆる真理は存在せず、諸々の特異性のみがある。しいて言うなら、「真理はない」それだけが真理である。
わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫)
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ウェイクフィールド / ウェイクフィールドの妻
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ちなみに「ウェイクフィールド」は春日武彦のお気に入り短篇のひとつ。
天才だもの。 わたしたちは異常な存在をどう見てきたのか
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ちくま学芸文庫のビジュアルブックに続く一冊として選んでみた。フーコーについてはじっくり取り組むつもりなので、こういう丁寧な入門書は本当に重宝する。既存の権力観をべりっと剥いでくれて素敵。
権力は外部から抑圧するものとして訪れるのではない。人々が社会の中で、他の人々と関係をもちながら、自己の欲望を追求するなかで発生する<場>のようなものなのである。
(8月17日追記)
再読。生権力の二重性、管理・福祉社会、真理のゲーム、パレーシアなど、後半を重点的に。絶対の真理を否定して個々の真理のゲームに参加すること。あやうく大事な部分を読み落とすところだった。二回読んでよかった。