村上陽一「ペスト大流行」

 読了。中世ヨーロッパ社会にペスト(黒死病)がどのような影を落としたか。大意としては、形成についで停滞の様相を呈していた中世社会に風穴を開けて…時代の担っていた趨勢のなかから、次代へと繋がるものをアンダーラインした上でそれを加速させ、その時代に取り残されるものに引導を渡すという働きをした…ということらしい。おっそろしいな。微妙に魔女狩りの時代と被ってるはずなのに記述がないのが不満といえば不満(ユダヤ人の虐殺については少しだけ触れられてた)。ともあれペスト入門書な感じで。