2007-10-22 斎のあとで 詩 土間に行く 足の裏に冷えた空気 石を渡ってゆくと 人が追いかけてくる 首を絞めようとするので 猫をけしかける ぺたぺたと渡ってゆく 水をこぼさないように 名前を呼ばれないように 縁を出る 庭は荒れている 井戸も枯れていて 水をこぼしてしまった このときに気づけばよかった 辻に葬列があり 夕暮れにちらほら灯りが立つ 誰を呼べばいいのか あやめもわかぬ暗闇で 死者の白布がぼうっと光る 冷たい息を吐きながら おまえはいつもそうなんだと そこで一生後悔する