河童

酒といえば、先ごろ読んだ南條範夫「燈台鬼」中の一篇「水妖記」に、頭の皿に酒を注いだ河童が登場する。

元来、河童と申すものは、水に落ちて土左衛門となったものが、三七、二十一日の間浮び上りませぬと、変生してなりかわるものなのです。勿論、一度死んだもの故、河童になってしまうと前世のことはすっかり忘れてしまいますが、ただ、頭の皿の中に、死亡の原因となったものが、偶然にでも入りますと、前世のことを思い出し、三日間、頭の皿の中のものがそのままあれば、からだつきまでどうやら前世のときに近いものになります。

皿に小粒銀を入れた河童、サイコロを入れた河童も出てくる。
普段は時代小説なんて読まないのだけど、こういう面白い話があるなら他にも読んでみたい。