2008-04-15 奥座敷 詩 めしを湯飲みに詰めていると 襖のむこうから男が来て 大勢待っているんだから と できたはじから持っていってしまう 躍起になって熱いめしを 次々にしゃもじでよそいつけ もう塩をふりかける暇すらない こんな山奥に連れてこられて 一体いつまでこうしているのか 泣きたい気持ちになってくる 一体いつまでこうしているのか すると突然襖がいっぱいに開いて 見れば暗い座敷に誰もいない ただ百年も前からそこには 座布団が並んでいるだけだった