なんこつ忌

子供が川に流された
何日探しても上がってこないので
親でさえも諦めていた頃に
川下で漁師の網にかかった
肉はきれいに削げ落ちて
やわらかいなんこつになっていた
それらを木屑や藻から選り分けて
ガラスの骨壷に収めると
光の加減によっては薔薇色にも
こがね色にも輝いて見えた
どこで聞きつけたかは知らないが
世にもめずらしい宝物を見ようと
大勢の人が村を訪れて
しばらくはたいへん賑わった