2008-06-23 なんこつ忌 詩 子供が川に流された 何日探しても上がってこないので 親でさえも諦めていた頃に 川下で漁師の網にかかった 肉はきれいに削げ落ちて やわらかいなんこつになっていた それらを木屑や藻から選り分けて ガラスの骨壷に収めると 光の加減によっては薔薇色にも こがね色にも輝いて見えた どこで聞きつけたかは知らないが 世にもめずらしい宝物を見ようと 大勢の人が村を訪れて しばらくはたいへん賑わった