読書記録

11月の読書メーター
読んだ本の数:26冊
読んだページ数:5808ページ

創作力トレーニング (岩波ジュニア新書)創作力トレーニング (岩波ジュニア新書)
文体研究についてはもう少し真剣に考えていこうと思います。
読了日:11月30日 著者:原 和久
饗宴―恋について (角川文庫―名著コレクション)饗宴―恋について (角川文庫―名著コレクション)
『饗宴』『リュシス』を収録。ディオティマとの対話をソクラテスが語りそれを饗宴で聞いていたアリストデモスがアポロドロスに伝えてさらにその友人へ……もちろん創作は入ってるけど……と研究者や訳者、様々な人を経て21世紀の自分のところまで辿り着いたことに、作中で語られていた不死なるものを見るようで感慨深い。
読了日:11月30日 著者:プラトン
読書案内―世界文学 (岩波文庫)読書案内―世界文学 (岩波文庫)
古典を読む手引きに。どうということはない内容だけどエマソンの章は素晴らしかった。個人的にはこの章が読めただけでも大収穫。
読了日:11月29日 著者:サマセット・モーム,西川 正身,William Somerset Maugham
カミサマホトケサマ―船尾修写真集カミサマホトケサマ―船尾修写真集
六郷満山の地、国東半島の写真集。地元なので普段見る風景・世界の見方の参考に。
読了日:11月29日 著者:船尾 修
ひらめきの導火線 (PHP新書 544)ひらめきの導火線 (PHP新書 544)
個から集団へひらめきを共有することやオープンエンドなど。個人の方法としては特に問題ないと思いますが、現場レベルで見るならもっと負の面にも言及しないと、いくら脳科学の理にかなうと言っても取りこぼすものが大きいのではないでしょうか。それこそ「贔屓の引き倒し(158p)」では。
読了日:11月28日 著者:茂木 健一郎
パプリカパプリカ
本を読みながらも夢を見ているようだった。ちょうどフィクションへの感度が鈍っていたときだけにこういう本が読めて嬉しい。
読了日:11月28日 著者:筒井 康隆
スピノザの世界―神あるいは自然スピノザの世界―神あるいは自然
直前に般若心経の本を読んでいたので仏教とスピノザの親和性の高さにびっくり。ともあれ、俺が、俺たちが神だ!ということで。
読了日:11月26日 著者:上野 修
西洋絵画名作101選 [全1巻]西洋絵画名作101選 [全1巻]
ざっと流れを概観。
読了日:11月25日 著者:
風景とはなにか―都市・人間・日常的世界 (NHKブックス)風景とはなにか―都市・人間・日常的世界 (NHKブックス)
風景論というかエッセイというか。いろんな人の言葉が引かれているが散漫で得るところは少なかった。その散漫なありようが風景の持つ性質とも言える。
読了日:11月24日 著者:山岸 健
遮光遮光
『銃』を補う作品と言っていい。己の存在に等しい安心毛布を取り上げられたことによって、己を失ったままそれを求めんとする主人公。回想シーンから考えると実は父殺しの物語なのかもしれない。ただ指をしゃぶるというのはちょっと露骨かなという気はする。
読了日:11月23日 著者:中村 文則
般若心経入門―276文字が語る人生の知恵般若心経入門―276文字が語る人生の知恵
身構えて読んだが別におかしなことを言っているわけではなくとてもわかりやすかった。般若心経には今後とも親しんでいきたい。
読了日:11月22日 著者:松原 泰道
英語で読み解く賢治の世界 (岩波ジュニア新書)英語で読み解く賢治の世界 (岩波ジュニア新書)
「詩を翻訳するにあたっては翻訳する言語のなかでも詩として成り立たせなければならない」ということで元になる詩の背景を含めての精読が必要になる。英語よりむしろ詩の理解が深まった。
読了日:11月20日 著者:ロジャー パルバース
高松塚古墳は守れるか―保存科学の挑戦 (NHKブックス 1082)高松塚古墳は守れるか―保存科学の挑戦 (NHKブックス 1082)
副題に「保存科学」とあるようにちょっと専門性が強い。劣化に関して、表向きは文化庁の縦割りとセクショナリズムが糾弾されているけれど、保存科学と考古学、国と国民、マスコミなど、それぞれの間に文化財保存のためのコンセンサスが取れていないのが原因だろう。修復ののちに現地に戻すのは折衷的な落としどころとはいえ、これからもさらに保存意識を高めていく必要がある。
読了日:11月18日 著者:毛利 和雄
読書と社会科学 (岩波新書 黄版 288)読書と社会科学 (岩波新書 黄版 288)
本を読む、現象を読む。誠心誠意で読み、そこから得たものでまた読むということは、概念装置を、この眼でものを見る「認識の手段」として獲得することにほかならず、それは読書だけではなく学問すべてに共通する。常識や固定観念を脇においてひたすら誠実に「ともに生きるものとして」読むこと。思わず居住まいを正すほどの熱量を持った本だった。
読了日:11月17日 著者:内田 義彦
独学のすすめ (文春文庫 か 3-1)独学のすすめ (文春文庫 か 3-1)
教育エッセイ。「国家の支配原理と重なる」学校教育を批判し、個人が主体的に学ぶことを奨励する。科挙が明治日本に繋がるという考え方は面白い。
読了日:11月17日 著者:加藤 秀俊
絵画を読む―イコノロジー入門 (NHKブックス)絵画を読む―イコノロジー入門 (NHKブックス)
プラトン主義には事物の背後に真理の世界が存在するという考え方があり、芸術表現でも目に見える事物をそのまま描くということはなかった。絵画にこめられた意味を読み解くうちにその時代の文化・社会状況をも知ることができてお得な感じ。
読了日:11月15日 著者:若桑 みどり
思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)
多くの人がぼんやりと持っているであろう考え方がtipsとして明確に挙げられている。ただ主観的で使えないところもいささかあるので、取捨選択して参考にさせてもらいます。
読了日:11月14日 著者:外山 滋比古
筑摩世界文学大系 (81)筑摩世界文学大系 (81)
ボルヘス『伝奇集』『エル・アレフ』『ブローディーの報告書』(篠田一士訳)、ナボコフ『青白い炎』(富士川義之訳) 読んだのはボルヘスだけ。文庫版の『青白い炎』は09年現在絶版とのことなので、読みたい方は選択肢にどうぞ。
読了日:11月13日 著者:ボルヘス,ナボコフ
文学と悪 (ちくま学芸文庫)文学と悪 (ちくま学芸文庫)
「悪を志向することは善を認め受け入れることにほかならない」という命題を柱に、8人の作家にあらわれた悪のバリエーションを論じる。理解が追いつかなくて後半は撃沈。エミリー・ブロンテボードレールミシュレの章だけでもいいかなぁと。
読了日:11月12日 著者:ジョルジュ バタイユ
装飾古墳紀行 (新潮選書)装飾古墳紀行 (新潮選書)
九州および東北の主要な装飾古墳を紹介するとともに、保存問題や考古学的知見、周縁のエピソードにまで言及する。現在から見れば古い記述も多いけど概観するには良かった。写真を多く見たいところ。
読了日:11月11日 著者:玉利 勲
原稿用紙10枚を書く力原稿用紙10枚を書く力
古本で見つけたので再読。定期的に読んで基本を確認したい。
読了日:11月09日 著者:斎藤 孝
日本の神話・伝説を読む―声から文字へ (岩波新書)日本の神話・伝説を読む―声から文字へ (岩波新書)
無文字の口承時代から記録時代へ、話し言葉から書き言葉に移行する過程で伝承がどのような作用を受けたかを、記紀風土記を元に検証する。口承においては和歌で言う掛詞のような形でイメージの重複や連想・想像が働いたとし、文字化によるイメージの固着を経たのちに、やがてその重層的な意味も理解されなくなって後世の説話に繋がっていく。
読了日:11月09日 著者:佐佐木 隆
本に読まれて本に読まれて
姿勢の良さを感じさせる書評集。読書の参考にさせてもらいます。
読了日:11月07日 著者:須賀 敦子
銃
可能性を手に入れ、食われ、己が可能性になる。この「可能性」は性欲や恋人・友人・血縁といったものと交換可能で、その全てが具体的に拳銃の形をとって主人公の前に現出する。拳銃を所有することは関係を所有することであり、さらに己が拳銃と同化するまでになったところで、刑事にそれを奪われてしまい……。
読了日:11月03日 著者:中村 文則
剪灯新話 (東洋文庫 (48))剪灯新話 (東洋文庫 (48))
明代伝奇の先駆けとなった小説集。幽明を隔てたものとの交流、艶冶な話が多く、ぞっとするというよりは切なさを感じさせる。日本への影響が絶大で翻案として『牡丹灯籠』がある。
読了日:11月02日 著者:瞿 佑
何もかも憂鬱な夜に何もかも憂鬱な夜に
絶対的に公正な死刑は神の判断の下でしか行われない。とした上でその執行を待つ「社会的な生物」であるすべての人間は、自身の反社会性に引き裂かれる。主人公は葛藤しながらもかつて己が導かれたのと同じように死刑囚を導き、それは確定した死の前で生の勝利とも映る。
読了日:11月01日 著者:中村 文則