2011-10-25 日曜日に別れを告げて 短歌 日曜日に別れを告げて あの人が欲しいと猫に頼んでも黙殺される血の日曜日 空色のホースの中をのろのろと運ばれていく真っ赤な金魚が 人のいない午後は眠くて寂しくてひよこを埋葬するにはぴったり 淡々と折りつづければ世の中がわかる気がする人形の指 陽が落ちて柱時計と音楽とコスモスがそっと人間をやめた 七人の姉妹は歯医者の子供らにサボテンを投げ終夜楽しむ 金星が心臓みたいに鼓動する うつくしい闇 うつくしい闇 銀色のかさぶたになる 自分から起立礼とはまだ言えないけれど