こつこつと誰かが指で叩くような音に窓を見ると、それはたしかに親指ほどの大きさの蛾が、部屋の明かりに誘われて何度も何度も見えない壁に体をぶつけていた。ガラスにぶつかるごとにこまかな燐粉が散る。これは昆虫の「走光性」という習性に基づくもので、…
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