8月第4週
狂言―落魄した神々の変貌 (平凡社ライブラリー (226))
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「梟山伏」に見られる徹底的なナンセンス、社会や常識をまったく相手にしない底抜けのナンセンスの恐ろしさについては覚えておきたい。
女狂言・鬼山伏狂言・出家座頭狂言・集狂言を収める。山伏が登場する狂言は泉鏡花の作品に使われていることもあって馴染みを感じた。また、「月見座頭」は座頭と男が打ち揃って月見をする狂言で、二人で楽しい一時を過ごした後、座頭の目が見えぬことを幸いに、男が別人のふりで座頭に喧嘩を仕掛ける。人情の脆さを見せられるような結末に慄然とした。
能楽入門〈1〉初めての能・狂言 (Shotor Library)
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ニュージーランドに関する本が図書館にこれくらいしかなかった。よくあるゆるふわエッセイ。一瞬で読める。
『青白い炎』第一篇(その5)
さらに、そこには音の壁がある。秋になり
無数のコオロギに築きあげられた夜の壁が。
立ち止まらずにはいられない! 丘の中腹で
わたしは足を止め、虫たちの熱狂にうっとりと耳を傾けた。
あれはサットン博士の家の灯り。あれは大熊座だ。
千年前、五分間は
四〇オンスの細かな砂に等しかった。
ああ、星々を見つめよ。果てしない昨日と
果てしない明日に目を向けよ。はるか頭上に
星々は巨大な翼のごとく迫り、やがておまえは死ぬのだ。
思うに、ありふれた俗物のほうがより幸福だろう。
彼が天の川を見るのは、ただ立小便をしているときだけなのだから。
昔も今も、わたしは大枝に鞭打たれたり
切り株につまずいたりと、危険を冒して歩いてきた。
わたしは喘息持ちで、びっこででぶっちょで
ボールを弾ませたことも、バットを振ったこともなかった。
わたしは影だった、窓ガラスに映じた見せかけの遠さに
殺された連雀の影だった。
わたしは頭脳と五感(そのうちのひとつはユニークな)を持ち合わせていたが
他の点ではからっきしだめだった。
夢の中では他の男の子たちと遊んだが
本当のところは友達を妬んでなどいなかったのだ――おそらく
濡れた砂の上にそっけなくも巧みに残された
連珠形の驚くべきもの
自転車のタイヤ跡を除いては。