新しい花

古い首を間違えてしまう
これは現実のこと


誰かが立ち去ったあとの石の台座に隠れて
油じみた包みをやりとりして別れた


猫はとうに死んでいたので
いまさら魚を剥がすこともなかった


赤い水と青い水が落ちてきて
ときおり傘の骨組みを夢見た


ぬるんだ風が遠くから来ていた
それを受け止めるいくつかの旗と暮らした


いつも時間だけが書き留められた
新しい花をどこかに置き忘れていた