海月

とろけながら流れの中に
水に住んでいると
きみは言う
しなやかに背骨を吐いて
冷たい皮膚が裸で
遠く鳴り響くエコーに
たましいの在り処を知る
くりかえし欠けた月を
はるかな満ち引きを
滅びとともに感じ
想いをこの世の外へ
辿りつく場所へ運ぶために
透明な脈をたらしてきみは
浅く深くさまよう
はなればなれのかなしみを
腕を星の灯りによせて
まどろみのもと
しずかに歌っている
生きること
死ぬことを