ゾンビ、他

ロメロ「ゾンビ」、ひさしぶりに見た。前は退屈な映画としか思わなかったけどさすがに今見ると名作だとわかる。個人的に、以降どんどん進化していくゾンビより、この作品の青黒いだけの安っぽいゾンビのほうが怖い。腐敗した無残な姿ではなくしっかり表情がわかる上でのろのろ襲ってくるのがポイント。
ロメロ「死霊のえじき」、ゾンビ三部作のトリ。前二作(「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」「ゾンビ」)と比べて話のスケールが大きくなり現実感がなくなった。メイクやゴアシーンも走りすぎの感があってテーマを邪魔している。ただ状況的にこれが一番絶望的で、ゾンビに生存を脅かされる恐怖とともに、さらに人間に対する不信や恐怖がぐっと前面に押し出された。ロメロゾンビは皮肉の上に成り立っていると思うのだけど、飼い慣らされたゾンビが人間性を感じさせるというのも皮肉だ。バブ君かわいいよバブ君。
ザック・スナイダードーン・オブ・ザ・デッド」、上の「ゾンビ」のリメイク。最初ゾンビがありえない速度で全力疾走して飛びかかってくるのには「うわっやべえ速ええ!」と驚いたが、よくよく考えると別にゾンビの必然性がないなーと気付いて冷めた。(全力疾走するといえば「28日後」もそうだがこっちはゾンビと違う。やっぱゾンビの必然性ない。)前半のインパクトから冷めて中盤からはぶつ切りの場面が続く普通のアクション映画になる。でもポップコーンムービーとしての出来はいいし、カメオでサビーニや「ゾンビ」の出演者が登場するのとか、あとゾンビベイビーは「ブレインデッド」のオマージュでチェーンソーはレザーフェイスのあれかなとか、小ネタも散りばめられてるのが楽しい。
監督がCM出身なだけあってオープニングの映像が凝ってる。補足として、この人は次に「300」を撮った。
http://www.youtube.com/watch?v=vdPWrAMXGGo