ホステル、他

ヒッチコック「サイコ」、実は以前誤ってガス・ヴァン・サントのリメイク版を見てしまって、しかもそれがカットや台詞までオリジナルに忠実で、今回改めてオリジナル版を見てもあまり感慨はない。気になるのは、子供の頃に見て記憶に残っている映画がおそらくこの「サイコ」なのだけど、そのとき見たはずのシーンがどこにも出てこない。沼の底で死体が揺れているのと切り取った手首を撫でるシーン。あれは何だったのか。
ナルシソ・イバニエス・セラドール「ザ・チャイルド Who Can Kill a Child?」、タイトルと冒頭のドキュメンタリが巧妙でいやらしい。まず最初に現実に戦争犠牲者となった子供の映像で良心を人質に取り、その後の本編では子供が大人を殺していく様を見せる。大人の主人公たちがどんなに攻撃されても、見ている人間がやきもきしても、子供に反撃したいと思った時点で「誰が子供を殺せるか?」と突きつけられる。ぎらつく太陽の下、大人のいなくなった廃墟同然の港町で、子供たちは死体を吊るして遊ぶ。不気味な静寂と無邪気な笑い声が耳に残る。
イーライ・ロス「ホステル」、こwwれwwはww ヨーロッパを旅行中のバカ3人組がほいほい騙されて悲惨な目に会う話。どんな目に会うかというと「だるま」と言えばわかる人にはわかる。タランティーノが製作総指揮にいるせいか、本気でやってるのかギャグでやってるのかいや絶対ギャグだろ変なオマージュすんなwwみたいな場面が多い。お岩さんとか列車飛びこみとか。つーか「アムステルダムで豪遊」と聞くだけでうわーこいつらだめだーと笑わせてくれるアムステルダムは素敵だ。ついでにスロバキアのイメージが「きれいな切手を作る国」から「変態肉屋の国」に格上げされた。