デビルズ・リジェクト、他

ジョン・カーペンターザ・フォッグ」、ラジオが午前0時の魔の時間を告げるとともに港町アントニオ・ベイには不穏な霧が迫り来る…。ここでも「古い日記を読んだら死亡」のフラグの成立を確認。魔の時間、灯台のラジオ局、光る霧、教会の壁から発見された日記…と素晴らしい要素が揃ってるのに、盛り上がらない展開で満を持して現れたのがベイダー卿とな。しょぼい音楽も悲しい気持ちにさせてくれる。雰囲気だけは良いので小説にしてもらいたい。
タランティーノキル・ビル2」、ちくしょういい話で〆やがって! しかも最終奥義が北斗神拳だなんて。2を見る前に1を復習したのだけど、前半でガツンときて後半はクールダウンする感じでこれはこれでいいんじゃないかと。間を空けて劇場で見たらしょんぼりだったかもな。墓から復活するシーンはまず片手だけ地上に突き出さないとだめだろ!定石だろ!と思いながら見てたらその通りになって感激で咽び泣いた。
ロブ・ゾンビ「デビルズ・リジェクト マーダー・ライド・ショー2」、殺人鬼一家を描いた二作目。(前作未見。)ガンガン殺しまくるのを期待したら案外あっさりで拍子抜けしたが、殺人ショーは前作で済ませてしまったんだろう。これは逃走劇でありロードムービーであり、凶悪な殺人一家が警察の手を逃れて埃っぽいテキサスを行く話だ。もちろん道中で人を殺すし、始終ずっとファックファック言ってて下品極まりないw アメリカン・ニューシネマの焼き直しだというのもなるほどよくわかる。だがしかし、それでもあのラストとエンドロールは強引に魂を持っていってしまう。地上から離れて飛び立つカメラの映像は音楽と相まって本当に美しい。騙されてるのかもしれないがむしろ騙してくれたことに感謝したいほどだ。楽しい悪夢をありがとう。

劇中、ピエロメイクのキャプテン・スポールディングが車を奪う際、その場にいた子供を脅かして哄笑する。そうだ、ピエロは絶対に子供を脅かすべきで、子供はピエロを恐れるべきだ。このシーンでロブ・ゾンビが一気に好きになった。あんた最高。