2008年映画ベスト10

というわけで今年は映画をたくさん見たのでその中から10本。

ヤン・シュヴァンクマイエル アリス [DVD]

ヤン・シュヴァンクマイエル アリス [DVD]

シュヴァンクマイエルは長編・短編ともにいくつか見たけど、この作品を先に見ていたのでどれもいまいちだった。マッドティーパーティーの場面からは本物の狂気を感じる。


前作「28日後...」とは打って変わって「絶望させること」に特に力を注いだ素敵な作品。ロメロのゾンビ映画を踏まえ、おそらくゾンビ映画全体の中でもトップクラスに面白い。まったく期待してなくて衝撃に腰が抜けた。前作を見なくても楽しめるので絶望に酔いたい人はぜひ。


箪笥-たんす- [DVD]

箪笥-たんす- [DVD]

韓国産ホラー。構成が難解で人に勧めるのはためらわれる…。音楽と映像の美しさ、そして後を引く切ないラストが良い。でも勧められない。悩ましい。


エンゼル・ハート [DVD]

エンゼル・ハート [DVD]

「2トンもの牛の血が天井から降るクライマックスシーンが公開当時話題を呼んだ」らしい。悪魔がガイドする「不思議の国のアリス」という趣で、美しい映像の中を地獄へ連れて行かれる。たいした話じゃないけど艶のある映像がいいんですよ。


この作品もアリス的と言えるかも。空き地で人間の耳を拾ったことから闇の世界へと転げ落ちていく話。正直言うと見てるあいだは退屈でつまらなかったんだが、見終わって日が経つにつれて自分の中で徐々に存在感を増していった。「マルホランド・ドライブ」もあとから良くなってきたから、リンチ的な何かだろうか。


死体拾いに行くってのがいいよね。しみるぜ。。


ストーカー [DVD]

ストーカー [DVD]

なにすっとかー すいません。ええと、タルコフスキーです。申し訳ない。


処刑人 [DVD]

処刑人 [DVD]

かっこいい兄弟+αが神に代わって悪人をブチ殺す脳汁垂れ流し映画。刑事役のウィレム・デフォーの狂いっぷりが素晴らしい。この映画が好きな友人に「リベリオンも好きだろう? ガンカタ最高だろう?」と聞いたらまさにその通りだと同意を得た。つまりそういう映画です。


あまりがつんとくる面白さはないが…、なんつーんですか、舞台もメキシコで、ラテンアメリカ文学に似た感覚というか。墓場から首を掘り起こして、首と語らいつつドライブするのだ。


2とかなってるが独立して見られる。現代のアメリカンニューシネマ(ってネタバレかこれ)。こんな映画ばかり見たので僕の頭の中のテキサスは殺人ピエロや変態肉屋一家や人肉モーテルが跋扈するひどい世界になってる。おそろしいところだ。