2008-12-26 にて 詩 岩屋には おおぜいの人がいて 味噌汁を吸ったり 臍を見せ合ったりする 這いつくばり 地の底の音を探る 切り揃えた指を ひらひらと舞わせ 小さな声で 蛾のように話す そんなときにふっと ともし火が灯る 明かりのもとでは 死人の胸に 濡れた癌が浮かび上がる 花のように 夢の彼方の赤い花