9月第4週
無心に読めばおのずと意は通じるというスタンスで、どちらかといえば歌意より歌人に重点が置かれている。誰が詠んだかもさだかでない古い時代から定家までの、和歌の伝統のダイジェストとして読めるということを教えられた。最後の約二十首の背景と、歌人では特に実朝に惹かれる。
古事記を心理学的に読むことで日本人の心性を探る。アマテラス・ツクヨミ・スサノオの三柱の神をはじめ、無為の神を中心に据えた「中空構造」のトライアッドがあり、時に中心を立てつつも、神話全体を通しては均衡の力が働く。男性・女性や大和・出雲など、片方に偏れば必ずゆりもどしが生じ、「小さい均衡が大きい均衡に包摂されつつ、全体として姿を変えてゆく」のが日本の神話の特徴であると説く。中心構造のモデルのひとつとして非常に示唆深かった。諸分野の検証や一神教との比較を試みてみたい。
「蒔絵もの」「懸香」だけ。どちらも絵は浮かぶのだが落としどころがピンとこない。後者はたしかに魔界に踏みこんでいる感じはあるのだけど、種明かしされて感興の質が変わってしまった。
とりあえず大まかな流れは把握した。今も昔も燃えたり泣けたりする展開にさほど違いはないのか。何度かうるっときてやばかった。
解剖図付きで体の各部分を解説している。死ぬまで付き合うものなので一度は目を通すのもいいかと。肝臓は大事にしたいです。