7月第2週
定本 想像の共同体―ナショナリズムの起源と流行 (社会科学の冒険2期4)
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趣味家の書くものは病が深ければ深いほど面白い。「昆虫図鑑の文体について」など変わった着眼点の章もあり、博物学と文学の中間にある文章が心地よかった。
日本中世における狂気・性・死生観・遍歴民など、現代から見れば「逸脱」とも映る事柄を、中世芸能を参考に読み解く。地味だがなかなか面白かった。地味だが。
行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)
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友野 典男
光文社
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これはアイテムとして持っておくという感じで。
短編集。さすがにプロの精神科医が書いただけあって、妙に地に足がついた筆致が嫌な気分を盛り上げる。特に、人が狂っていく描写は、あまりにさりげなく日常に狂気が混入していくのが静かな凄みを感じさせるほど。その反面、人間の心の不思議さを思い知らされる部分もあって、まあ読まなくてもいいけど読めてよかったという玉虫色の感想を持った。何とも言えぬ立ち位置の一冊。この人の本はどれもそうかもしれないが。
触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 (新潮文庫)
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北森 鴻
新潮社
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