7月第4週
アリステア・クックのアメリカ史〈上〉 (NHKブックス)
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彼は靴屋の徒弟奉公人から身を起こした弁護士で、草案作成にあたった期間中、歯をほじくる癖でひどくフランクリンをいら立たせた。フランクリンは「私のハーモニカ演奏でお返しをするぞ」といって脅かしたという話が伝えられている。
フーコー (ちくま学芸文庫)
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平然と私たちに命令を押しつけてくるようなシステムを“からかって”正体を暴き、変形させ、ひっくり返さなければならないのです。私の場合、自分の著作でやろうとしているのはそれなんです。
マンガ 行動経済学入門
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言葉と国家の関係を言語学の観点から論じる。俗語の解放、そして俗語が国語へとなっていく過程が興味深かった。言葉の中に国家的な権力が宿っていることはもっと意識されていいし、ゆえに正統な国語という観念にも注意を払うべきなのだ。自分がどこに立っているのかを教えられた気がする。
コナン・ドイルの生涯を軸にして一九世紀末から二〇世紀初頭の文化・社会を概観する。ホームズ物語から時代を再構成することを拒否しており、その意味ではタイトルに偽りがあるのだけど、その分、デカダンスやノスタルジーなどのバイアスから自由な立場で論じられる。多角的に論じることがすなわち一時代の層の厚さを描き出すというお手本のような論考で、システムの中の個人が意識されてとても面白かった。これは手元に置いておこう。
もふもふっ珠枝さま!〈3〉 (MF文庫J)
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眺めただけ。祭祀空間としての源氏物語について少し考えた。あと方違えは移動する異界であるとか。
幸福論 ―精神科医の見た心のバランス (講談社現代新書)
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世界の構造、そしてそれを垣間見た実感とはどのようなことか。(…)日常の事物にはすべて意味があるという感情を抱いたときに、取るに足らない日々の光景であろうとそれらのディテールは深いところで互いにつながっていて、たとえ秘められた関係性とか相関性を理解することは出来ないにせよ、すべてが尊重され大切にされるべきであると感じられる――そんな精神状態の別称である。角度を変えて言い直せば、どんなに卑俗でちっぽけなことであろうと、すべては詩となり得るだろうという確信のことなのである。