11月第1週
暴走する原発 チェルノブイリから福島へ これから起こる本当のこと
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(読んだのは単行本)
芸としての小説について。ただ平易なだけで幼稚な文章や、細かすぎて冗長な文章が名文なのではない。十分な思考の跡がある、あるいはそれが自然になされている文章が名文である。
バイオポリティクス―人体を管理するとはどういうことか (中公新書)
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随筆集。周辺の物事を徒然と綴っている。自然体のやわらかな文章がいい感じ。中でも中国旅行について書かれたものは特に良かった。この本に限った話ではないけど中国の事柄には独特の魅力があって、本書でも、上海鼻烟店、魯迅の竹夫人、石林、「牙」という看板を出す歯医者と、字面だけでもなにか色気を感じる。
石林というのは、海底から隆起した三億年前の石灰岩が数千万年にわたる風雨の浸蝕で形成されたという石柱群で、その規模の大きな奇観には驚かされる。雨を吸った石林は、しっとりと千古の静謐を保っていた。シジュウカラが啼いていた。オオルリも啼いていた。