2010-07-14 道切り 詩 女が鳥居で首を吊っている わたしはそれをくぐって行かねばならない ふらふらと風に揺れる足を押すと 垂れた髪の間から睨みつけてくる おれはここで道を切っておるのだ おまえは何の因果があるのだね わたしは答えられないでいる たぶん何かの用があって行くのだ ほんとうに大したことではないのだけれど もしもわたしが墓穴を這い出た 魔物であればどうなるだろうか 暗くなりまさる空に 目玉のような星が光っていて 鳥居に女が揺れている 背中をつーっと汗が流れる