2007-06-02 雫 未詩 雫が落ちる 葉先から首へ 群れから別れた姿 風に撫ぜられ ふるえながら 路ばたの塚を かさなり濡らし 緑の胸に抱かれた 胞子が淡く光り また 朽葉のたまりに けものの鼻をうずめ 夢ごこちに 上手に噛まれ 無心である 死んだものや 火の息のような うずのなかに落ち いくつかの像をとどめ このときも 絡げた縄の先に 思い思いのはやさで 落ちて ゆく